フルスルチアミン
フルスルチアミン(英: Fursultiamine、アリナミン-F)は、テトラヒドロフルフリルジスルフィドチアミンとしても知られており、ジスルフィドチアミンやアリチアミンの誘導体である[1]。
フルスルチアミンは、脚気等のビタミンB1欠乏症の治療のためにチアミンの親油性を高める目的で1960年代に日本で開発され[1][2]、日本のみならずスペイン、オーストリア、ドイツ、米国でも製薬化された[3]。フルスルチアミンは、米国でビタミン剤としてOTC(over-the-counter)薬としても販売されている[4]。
フルスルチアミンは、ビタミン欠乏症の適用に加えて、アルツハイマー症や自閉症に対して臨床検査が行われ効果はあったものの微々たるものであった[5][6]。
フルスルチアミンは、運動中の代謝改善や肉体疲労の軽減についても研究が行われた[7][8][4][9]。
筑波大学と武田コンシューマーヘルスケア(現:アリナミン製薬)の共同研究によれば、前頭前皮質におけるドーパミン放出が増加し自発的な身体活動性を高める作用が、動物実験によって確認されている[10]。
1960年代には神経痛に有効であるとしてアリナミン大量療法が実施され、ビタミンB1誘導体がブームとなった。アリナミンは服用すると呼気にニンニク臭が出る[18]ので改良がはかられた。コーヒーの芳香成分の1つであるフルフリルメルカプタンを利用するとニンニク臭が低減されることに着目した武田薬品工業は、フルスルチアミンを開発した。フルスルチアミンには、ビタミンB1と比較して吸収に優れ、組織によく移行し、体内で働く形の活性型ビタミンB1を多く産生する特徴があるとされる[13]。
1961年、フルスルチアミンが配合された黄色の糖衣錠として「アリナミンF」が発売された
2024年7月27日 | カテゴリー:生活習慣病, 創薬/AUTODOCK |