複数回分裂癌細胞のみを標的とした低分子薬の創薬/AUTODOCK VINAを用いて
腫瘍細胞と正常細胞との最大の違いは自立増殖に伴う無制限細胞分裂です。当院ではこの現象をもつ細胞のみを細胞死に至らしめる低分子化学物質の予備的検索をIN SILICOではじめました。細胞は分裂のたびにDNA合成と細胞生存に必要なたんぱく質を複製します。DNA複製時にはサイクリンなどを細胞周期に合わせて合成し分解します。つまり、細胞分裂のたびにサイクリンは分解します。その分解を担うのが巨大複合酵素のプロテアソームです。サイクリンに親和性が高いもののアロステリック効果がなくプロテアソームではアロステリック効果がある低分子物質があれば多数回の分裂時に少しずつ毒性をプロテアソームに蓄積させることが可能です。このように細胞分裂を繰り返すたびに蓄積毒性を発揮するCOMPOUNDをAUTODOCK VIMAを用いて探してゆくという手順です。現在進行中です。
2024年4月7日 | カテゴリー:新着情報, 肝疾患すい臓疾患, 白血球異常 白血病・骨髄異形成症候群, その他 |