関節リウマチの臨床症状について
関節炎症状は主たる症状です。痛むほかに朝のこわばりなどのゲル化現象が特徴的です。末梢関節に多く見られます。ゲル化現象があり炎症反応が高度でも痛みの少ないrobust RAの患者様や痛みが激しい割には炎症指標が低いfibromyalgic RAの患者様もいらっしゃいます。
関節外症状では治療者が一番気になるのが、間質性肺炎を含めた肺合併症です。そもそも間質性肺炎は全くの正常な組織ではなく自己の細胞が正常に機能しているのにも関わらずちょっとした非自己の抗原性を持ってしまったために免疫系から異常な非自己として認識されてしまい攻撃を受けてしまうタイプの肺炎です。免疫系の異常は肺胞内ではなく、肺胞の外つまり間質でおき時間的に急性の場合にはフィブリン増生、亜急性慢性の場合には線維化が起きてしまうものです。(ウイルス性肝炎のさいにも似たような現象が免疫学的に証明されています。)治療に関してはまだまだ学者の間で議論が多い分野ですが当院では大阪警察病院が世界的に報告し有効率の高いヘパリン療法を行っています。間質性肺炎ではなく閉塞性障害の場合には喘息の治療に準じることがいいのが現状です。
リウマトイド結節はメカニカルな刺激を受ける場所に多く出現します。顕微鏡でその組織をみると壊死して溶けてしまったように見えるジェル状の周りに類上皮細胞と名ずけけられている細胞群が波打っているような並びで集まっているのが見えます。異物を隔離するような反応が次から次へと玉ねぎの様に上皮が集まってくる現象ですので腫瘍とか細菌感染などの鑑別が必要な場合もあります。
アミロイド沈着症はRAでIL6が多い状態が長く続くと肝細胞が反応してAAアミロイドを産生して、全身の各臓器の基底膜に沈着します。したがって、腸管、腎、肺、血管に沈着します。血管に沈着したケースをアミロイド血管炎と呼んだりしますが悪性関節リウマチと呼ばれたこともありました。現在の治療体系ではあまり見なくなりました。
Felty症候群では関節外の免疫反応は顆粒球系の分化段階では後半の細胞で起きているようです。それによって好中球減少があるようです。当然細菌感染が多いので注意が必要です。
2024年4月5日 | カテゴリー:その他 |