アレルギー診療最新の考え
①IgE(身体を守る機能を持つ)が高値の場合、すでに上市され保険適用と認められている抗アレルギー剤を、IgEによる刺激を遮断出来る薬剤かどうかを調べて使い分けを行います。薬剤とIgEによる、アレルギー反応伝達酵素群(Lyn,Fyn、Syk)の結合エネルギーを計算することは現代では可能になってきています。この計算値を用いて薬剤選択を行います。
②IgEが高値でない場合のアレルギー反応は、一般的に(①の場合も含みます。)IL4,IL5,IL13などのサイトカインが活性化しており、これらのシグナルを伝える酵素群も活性化しています。これらの酵素群の活性化を抑える計算値を持っている薬剤を選択します。
③ ①と②の場合分けで上手く臨床像が改善出来ない場合は、アレルギーで活性化している肥満細胞や好酸球から放出される、LPCAT1、LPCAT2などのケミカルメディエーターがアレルギー症状を起こす状態であることが多いので、この経路を阻害するような薬剤を勧めます。