コロナ後遺症について
厚生労働省が定めるところは以下のとおりです。
後遺症の定義:後遺症は、14日間を超えて遷延する症状とされています2。感染性は消失したにもかかわらず、他に原因が明らかでなく、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状を指します。WHO(世界保健機関)では、「post COVID-19 condition(long COVID)」として、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に罹患した人にみられ、少なくとも2ヵ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないものである。通常はCOVID-19の発症から3ヵ月経った時点にもみられる」と定義されています
症状以外に検査所見で必須ではないもののよく報告されるものは
コルチゾールの低下、リンパ球減少、好中球減少です
抗核抗体の出現もまれに見ます
リンパ球減少はそれなりの意義があります。リンパ球数は特殊な病態では増加しますが、感染症や自己免疫疾患ではたいてい減少します。
一般に、ウイルス感染を契機に免疫抗原提示能が変化し膠原病もしくは膠原病様状態になることは多く見られます。コロナウイルス感染後では他のウイルスと比べてそのような発症が多いとも考えられます。
また、正常細胞に感染したまま正常細胞が発現する膜蛋白パターンを変えているとの報告もあります。
当院ではまだ経験していませんが、凝固異常があり抗凝固剤を必要とすることも文献的には報告あります。
血液検査所見を呈している患者さんの場合には、診断が容易ですが症状だけが変化している人の場合の診断には難渋しています。
2024年5月10日 | カテゴリー:新着情報, 膠原病, 内分泌疾患・ホルモン異常, 白血球異常 白血病・骨髄異形成症候群, 免疫疾患, その他 |