ビタミンBについて
ビタミンB群の発見は、前々号に紹介したように脚気の撲滅研究により始まりました。発見当初は、ひとつのビタミンと考えられていましたが、その後、複数のビタミンが含まれていることが分かり、発見された順にB1、B2、B3…B12と表示されました。しかし、更なる研究の進展によりB4、B8、B10、B11の4種は削除され、B1,2,3,5,6,7,9,12の8種類がビタミンB群1)です。B群として、ひとまとめにされている理由は、いずれも、我々の生命活動に必要なエネルギーがつくられる過程で、よく似た働きをするからです。勿論、B群は、共通した働きの他に、それぞれ別の生理作用もあるので、独立したビタミンとしても扱われその構造と働きが明らかにされています。ビタミンB群は全部で8種類。しっかり補給することでエネルギー代謝を高め、疲労感を解消することができます。
※ビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの合計8種。
ビタミン B1 は筋肉,心臓,肝臓,腎臓,脳に
高濃度に分布しているが,体内貯蔵量はビタミン
類の中で最も少なく,成人で 25~30mg と推定さ
れている 3).経口摂取されたビタミン B1 は十二
指腸から空・回腸で能動輸送により吸収され,過
剰分は尿中へ排泄される 4).半減期は 9~18 日と
短く,過剰症はまず起こらない 5)
ビタミンB2は、脂質・糖質・タンパク質が分解されエネルギーにかわる際にサポートする栄養素。また、成長促進にも欠かせないため、「発育ビタミン」ともよばれます。この他、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生や、細胞を傷つけ老化の進行の一要因とされる過酸化脂質を分解、消去する働きもあります。 | ||
ナイアシンまたは、ニコチン酸として知られているビタミンB3は、補酵素ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD)とニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド・リン酸(NADP)を形成するため、ニコチンアミド(ナイアシンアミドとも呼ばれる)として人体に吸収される水溶性ビタミンです
ビタミン B6 は、アミノ酸の異化やアミノ酸系神経伝達物質である生理活性アミンの代謝に関わ
っている。血漿中に存在するビタミン B6 補酵素である PLP は、体内組織のビタミン B6 貯蔵量を
よく反映する38)。血漿中の PLP 濃度が低下した若年女性において、脳波パターンに異常がみられ
たという報告がある39)。いまだ明確なデータは得られていないが、神経障害の発生などのビタミン
B6 欠乏に起因する障害が観察された報告をもとに判断すると、血漿 PLP 濃度を 30 nmol/L に維持
することができれば、これらの障害は観察されなくなる40,41)。そこで、血漿 PLP 濃度を 30 nmol/L
に維持できるビタミン B6 摂取量を推定平均必要量とすることにした。一方、ビタミン B6 の必要量
は、たんぱく質摂取量が増加すると増し、ビタミン B6 の食事摂取基準はたんぱく質摂取量当たりで策定されています
コバラミンとしても知られるビタミンB₁₂は、代謝に関与する水溶性ビタミンです。 8種類のビタミンB群のうちの1つです。動物はこれを必要とし、DNA合成および脂肪酸とアミノ酸の両方の代謝において補因子として使用します