抗癌剤による続発性硬化性胆管炎について
経 口 抗 癌 剤(5-FU)長 期 投 与 中 に 肝 内 胆 管 に
硬 化 性 胆 管 炎 様 の 組 織 学 的 変 化 を き た し た
肝 硬 変 非 合 併 肝 細 胞 癌 の1例という報告があります
考 察では
硬 化性胆 管炎 は肝 内外 の胆 管系 に非特 異的 な炎症 と
線維 化 に よ り胆 管の閉 塞や拡 張 を きた す病 態で,原 発
性 と続発性 の もの に分 類 され る.原 発性 硬化性 胆 管炎
(PSC)は 炎症性腸 疾患 を高率 に合 併す るこ とが判 明 し
てい るものの,こ の両者 間 には直接 的 な因果関 係が
明確 で ない こ とか ら独 立 した疾患 とされて い る.一 方,
続発性 の もの は総胆管 結石 や胆管術 後,抗 癌 剤 に よる
副作 用,感 染や 虚血等 に伴 う もの な どが原 因 と して挙
げ られて い る
PUBMEDでは5FUの動注で25%例に線維化を伴う胆管炎が発現したという報告あり,
薬剤アレルギー機序の報告はなかった。
考え合わせると、正常肝細胞に抗癌剤ストレスがかかりTGFなどの産生が増してグリソン間質の線維化浮腫をおこしてしまうと推論できる
フッ化ピミリジンを殺細胞薬に使わない場合はほかの
殺細胞薬
イリノテカン>CPT11(トポテシン)
オキサリプラチン>OX(エルブラッド)
トルフルリジン>FTD(ロンサ-フ)
の選択を考えることになる<施設でさまざま
殺細胞薬/抗癌剤には5-FU系(5-FU、S-1、カペシタビン)、オキサリプラチン、イリノテカンがあります。中でも核となるのは5-FU系の抗癌剤です。5-FUは注射剤であり、通常46時間をかけて投与します。したがってその使用に際してはCVポートと呼ばれる、長時間の点滴に適した医療器具を前もって皮下に埋め込む必要があります。5-FU系抗癌剤には内服薬であるS-1、カペシタビンがあり、これらを使用すればポートを作らずに治療を行うことが可能です。
5-FUは副作用の観点から単独で使用される場合もありますが、一般的にはオキサリプラチンやイリノテカンと組み合わせて使用されます。
5-FU系抗癌剤とオキサリプラチンの組み合わせには使用する薬剤によって、FOLFOX、CapeOX、SOXなどさまざまなレジメンがあります。
一方、5-FUとイリノテカンの組み合わせでは、FOLFIRI、IRIS、CapeIRIなどのレジメンがあります。オキサリプラチン、イリノテカン、どちらの抗癌剤から先に治療を行っても長生きの効果には差がないことがわかっています。またより確実な治療効果を出すために、5-FU、オキサリプラチン、イリノテカンの3剤を同時に使用するケースも増えています