アルカリホスファターゼ/ALPについて
ALPは人においてはまず全身に発現しています。そのなかでも特に多く産生する臓器は、肝臓、胆管、腎臓、骨、小腸粘膜、胎盤、生殖細胞、癌です。
小腸の腸管細胞ではTLR4で捕らえられた菌体成分に対して分泌したALPが毒素の無毒化をおこなっています。癌細胞がつくるALPは正常細胞と同じ種類です。しかし、どの臓器でも癌細胞のほうが産生量が多いと調べられています。ALPの値は個人差が多く、分布が標準形にはならないので、基準がつくり難いと言われていますが、当院では200IU/ml以下をおおよその基準としています。一人一人の患者さんの値の推移をみればいろいろ臨床的には便利な場合が多い検査です。ALPが高いことにより見つけやすい病気を列挙します。
胆汁うっ滞症
骨ストレス
骨腫瘍
骨折
骨粗鬆症
肝炎/肝硬変
胆のう炎
骨髄繊維症
白血病/悪性リンパ腫
サルコイドーシス
甲状腺機能亢進
心筋梗塞
副甲状腺機能亢進
妊娠