成人発症スティル病について
成人発症スティル病は発熱、皮疹、関節炎を主徴として、肝障害、リンパ節腫脹、脾腫など全身の臓器に炎症を来たす疾患である。
推論として、病原体や内在性因子がTLRを介してMΦを主体とする自然免疫系を刺激し異常活性化をおこすと考えられている。遺伝学的素因を背景として感染症やダメージ細胞による内在性因子などがトリガーとなって炎症が惹起されると考えられている。
抗核抗体は通常陰性で特異自己抗体や自己反応性リンパ球は同定されておらず獲得免疫よりも自然免疫の活性化がその病態である。
病原体関連分子パタ-ン(pathogen-associated molecular patterns/PAMPs),ダメ-ジ関連分子パタ-ン(damage-associated molecular patters/DAMPs)によって好中球やマクロファ-ジが活性化されIL18やIL1βを中心とする炎症性サイトカインが分泌されてTリンパ球やNK細胞を介して他のサイトカイン異常産生へとつながってゆく。
疾患活動期にはIL1b,IL2,IL6,IL18,TNFa,INFg,MCSFなどの炎症性サイトカイン上昇が報告されている。なかでもMΦが産生するIL18は疾患活動期に異常高値を示しNK,CD8Tを介して臓器障害に関与すると考えられている。