熱中症について
熱によって細胞内の小胞体/ミトコンドリアが破綻し細胞が死んでしまう状態です。ミトコンドリアの多い臓器である心、腎、肝、脳が同時に障害を受けます。夏バテもほとんど同じ機序ですが、慢性緩徐進行性の熱中症と考えてもいい病態です。ミトコンドリアは栄養を酸素と合わせて、つまり燃焼してエネルギ-を産生する場所ですが、機能が破綻すると水素イオンを制御できなくなり異常な熱産生をひきおこして体温調節が効かなくなり破綻的に急性増悪します。暖かい環境に慣れておけばヒートショック蛋白が小胞体に存在するためミトコンドリア機能は影響を受けませんが、ヒートショック蛋白が準備されてない状況ですと小胞体の熱ストレスからミトコンドリアに影響が及んでミトコンドリア破綻が始まります。重傷者のほとんどのケースで日ごろから熱い環境でヒートショック蛋白が準備されておらず、体が酸性に偏っていたり、ミトコンドリアに必要なニコチンアミドやビタミンBが少ない状況ではミトコンドリアは破綻しやすい条件がそろっているということです。脱水が存在すると不感蒸泄が低下し身体の核の部分に熱がこもりやすくなり熱中症に移行しやすくなります、ほとんどの症例は脱水症+初期熱中症で意識障害のみのことが多いようです。