急性咽頭喉頭炎の原因細菌について
(頻度多い順):
溶連菌(A群β溶連菌): 急性咽頭炎の主要な原因であり、特に高熱、咳がない、のどが腫れている特徴があります。溶連菌感染症は、溶連菌(溶血性レンサ球菌)が主にのどに感染して、発熱やのどの痛みなどが出る一連の感染症状を指します。正式名称は「Streptococcus pyogenes」といいますね。この細菌は「レンサ(連鎖)」という名前の通り、鎖がつながるようにしてできており、のどや扁桃腺の炎症を引き起こすことがあります。また、他の病気の原因ともなります。具体的には中耳炎、肺炎、髄膜炎、化膿性関節炎、とびひ、丹毒、蜂窩織炎などの皮膚感染症です
ジフテリア菌: ジフテリアと呼ばれる感染症を引き起こすことがあります。ジフテリアは、感染者のくしゃみやせきによって飛沫感染します。
感染した物体と接触することや、感染者の皮膚病変に接触することでも感染します。
合併症:
心筋炎: 心臓の筋肉に影響を及ぼすことがあり、死に至る可能性があります。
神経損傷: 手足や目の筋肉、横隔膜の麻痺を引き起こすことがあり、呼吸不全を招く可能性があります。
予防:
ワクチン接種により、ジフテリアの罹患リスクを減らすことができます。
特に子供には予防接種を行うべきです。
ジフテリアは重篤な病気であるため、早めの診断と適切な治療が必要です。1234
淋菌: 急性咽頭炎の原因となることもあります。**淋菌感染症(淋病)**は、**淋菌(Neisseria gonorrhoeae)**という細菌によって引き起こされる性感染症です。以下に淋菌について詳しく説明します。
症状:
性行為により男性の尿道や女性の子宮頚管のほか、咽頭粘膜(喉の粘膜)などに感染します。
症状には尿道炎、子宮頚管炎、骨盤内炎症性疾患(PID)などが含まれます。
感染経路:
性行為によって感染が広がります。
コンドームを使用せずに性行為をすると、相手にうつす確率が高まります。
合併症:
不妊症や異所性妊娠(子宮外妊娠)の原因となります。
新生児結膜炎という眼の病気を引き起こすことがあります。
淋菌感染症は早めの診断と適切な治療が必要です。
将来妊娠を考えている女性や、妊娠している女性が気になる症状を感じたら、早めに医療機関を受診して、安全な出産のために対策が必要
マイコプラズマ: 気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。マイコプラズマは、細菌の一属であり、真核生物を宿主とする寄生生物です。特徴的な点は、細胞壁を持たず、細胞やゲノムが非常に小さいことです1. マイコプラズマに感染することで引き起こされる疾患には、以下のようなものがあります:
マイコプラズマ肺炎:
マイコプラズマによって引き起こされる肺炎です。
主に若い人に多く、咳などによって周囲に感染を広げることがあります。
主な症状には発熱、倦怠感、頭痛、咽頭痛、咳、胸痛、息切れなどがあります。
まれに重症化すると意識障害を起こすことがあります。
検査では抗体や抗原を調べることができますが、症状と経過、流行状況を考慮して診断されることも多いです。
治療には抗菌薬が用いられます。
クラミジア: 下気道感染、特に肺炎を引き起こすことがあります。クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという細菌によって引き起こされる性感染症(STD)です。以下にクラミジアについて詳しく説明します。
性器クラミジア感染症とは?
クラミジアは、主に尿道、子宮頸管(子宮の入り口)、眼の結膜、咽頭(のどの奥)に感染して症状を起こします。
性器クラミジア感染症は、尿道やその周囲の精巣上体、精巣、膣、子宮などにクラミジアが感染して症状を引き起こすことを指します。
症状:
男性では尿道炎や精巣上体炎を起こすことがあります。
女性では子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こすことがあります。
感染経路:
性行為によって感染が広がります。
クラミジア感染症は、全ての性感染症の中で最も多いです。
合併症:
女性では不妊症や子宮外妊娠の原因になります。
妊婦が感染すると流産や早産のリスクが高まります。
クラミジア感染症は早めの診断と適切な治療が重要