酸化ストレスについて
酸化ストレスは、体内の活性酸素が過剰になり、細胞にダメージを与える状態です。
定義:
酸化ストレスとは、「酸化反応により引き起こされる生体にとって有害な作用」のことで、活性酸素と抗酸化システム(抗酸化物質)、抗酸化酵素とのバランスとして定義されています
ここでいう「酸化」とは、何らかの分子に酸素原子が結合することです。酸素は電子親和性が大きい原子なので酸素が結合するということは結合した先の原子から電子を奪い取った形になるといことです。それが意味するところは分子全体で電気的な偏りがありその物質分子そのものがほかのタンパクの機能を邪魔しやすくなるということです。
発生の仕組み:
摂取した栄養素は体内で分解され、ミトコンドリアの酸化反応によりエネルギー源に変換されます。
この過程で過剰に発生した活性酸素によって酸化ストレスが亢進し、DNAやたんぱく質などの生体成分を酸化させています。
酸素は好気呼吸を行う生物にとって欠くことができないが、その反面、過酸化水素や酸素ラジカル(活性酸素種)が発生する原因ともなる。
活性酸素種は反応性が高く、脂質やタンパク質を無秩序に酸化し(過酸化物)、生体に深刻なダメージを与える(酸化ストレス)
たとえば過酸化水素HOOHが産生されてしまったとき生体はAPX(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)によってHOH水に変化して過酸化物を除去します。このAPXがアスコルビン酸を必要とします。
アスコルビン酸、モノヒドロアスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸は人では生合成できないのでどれかで補充が必要です。モノヒドロアスコルビン酸はしぜんとデヒドロアスコルビン酸になります。モノヒドロアスコルビン酸はNADHがあればMDAR(モノヒドロアスコルビン酸レダクターゼ)によってアスコルビン酸を作れます。
またデヒドロアスコルビン酸はグルタチオンがあればデヒドロアスコルビン酸レダクターゼによってアスコルビン酸を産生できます。この際にグタチオンは酸化型グルタチオンであるGSSGがつくられますがNADPHがあればグタチオンレダクターゼによってふたたびグタチオンがつくられます