グルタチオンによる肝臓における解毒の形態
グルタチオン抱合による解毒
グルタチオンはシステイン残基のチオール基に様々な物質を結合する。
これらには、毒物や、抗生物質などの薬物、ロイコトリエンやプロスタグランジン等といった各種伝達物質が含まれる。グルタチオン-S-トランスフェラーゼ (GSTs) によってこれらの結合反応が触媒される。また、ある種の金属イオンは非酵素的にグルタチオンと結合する。
グルタチオンとこれらの物質の結合物(抱合体)は細胞外に排出され、細胞から有害物質が取り除かれる。哺乳類の場合は抱合体は血中を移動し、腎臓まで運ばれる。腎臓でこの抱合体はメルカプツール酸(英語版)に変換され、胆汁中や尿中に排出される。
グルタチオンは、代謝の副産物として産生するメチルグリオキサールの代謝にも必要である。メチルグリオキサールは、非酵素的にグルタチオンに抱合される。抱合されたメチルグリオキサールは、グリオキシラーゼI および II によって D-乳酸に変換され、グルタチオンから切り離される。