破骨細胞とマクロファージ
一般に、MΦの分化成熟は単球が組織内に遊走して組織からの刺激を受けることで起こることが知られている。またそのときに形質(形態的、機能的)が決定する。例えば、肺においてはTGF-βやGM-CSFによって誘導される。また肝においてはM-CSFやDLL/NOTCHシグナルによりKUPPFER細胞となる。
破骨細胞は、単球/MΦ系の前駆細胞が骨髄内でRANKLやM-CSFにより分化誘導される。その過程でDC-STAMPやOC-STAMPのような分子を発現することで細胞同士が融合し多核化する。(ちなみに、巨核芽球では核分裂をするが細胞質分裂しないので多核化している)(さらに興味深いのはAML1遺伝子をKOすると巨核芽球も破骨細胞も消失し大理石病をおこす)この分化のENDSTAGEでNFATc1転写遺伝子が発現する。骨吸収窩では破骨細胞が産生したH+やCL-、骨基質分解酵素のカテプシンKやMMP9によってカルシウムアパタイトやⅠ型コラーゲンを分解している。興味深い報告は骨回転を速くしている破骨細胞の由来と正常骨回転の破骨細胞の由来が違うかもしれないということである。この辺に、骨粗しょう症のメカニズムや各薬剤の反応性の奇異性の秘密があるかもしれない。