慢性腎臓病について
腎臓は濾過装置である糸球体と濾過した原尿から必要な物質を拾いあげて再吸収する装置である尿細管から構成されています。例えば、尿細管での再吸収量が非常に多く負担過多になると、尿細管細胞の疲弊によりTGFなどのサイトカインが産生され輸出細動脈周囲の線維化が起き輸出細動脈の狭小化ひいては糸球体濾過圧の上昇と原尿量の増加が起き、さらなる尿細管細胞の負担増しになり最終的には血流途絶となります。また、高血圧動脈硬化進展や糸球体の炎症があるだけで糸球体の圧が上昇し原尿量の増加が起き尿細管細胞の負担増加が招来されます。さらに糸球体異常によって尿蛋白が原尿に出現すると、それによって尿細管細胞を傷害することも想定されてます。このような病態をもつ疾患を大きくとらえて慢性腎臓病と再定義して早めに医療介入するようになっています。