ロイコトリエンについて
ヒスタミンがアレルギー症状を起こす物質であることは有名でよく知られています。ロイコトリエンもアレルギー症状を起こす物質で重要です。
ロイコトリエンの生合成:ロイコトリエンは、細胞内で5-リポキシゲナーゼによってアラキドン酸から合成されます。5-リポキシゲナーゼはアラキドン酸骨格の特定の位置に酸素残基を挿入する際に必要です。この経路は白血球(肥満細胞、単球、好中球、好酸球、好塩基球を含む)で活発に行われます。アラキドン酸はホスホリパーゼA2によって細胞膜リン脂質から放出され5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)によって5-リポキシゲナーゼが活性化されます。5-リポキシゲナーゼの触媒作用により、アラキドン酸に酸素が付加して5-モノヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(HPETE)が生じ、これが脱水反応を経て不安定なエポキシドであるロイコトリエンA4(LTA4)が生成されます。好中球や単球などの細胞の中では、ロイコトリエンA4(LTA4)加水分解酵素により、ロイコトリエンA4(LTA4)が、ロイコトリエンB4(LTB4)へと変換されます。マスト細胞や好酸球ではロイコトリエンA4(LTA4)はトリペプチドグルタチオンと結合されてロイコトリエンC4(LTC4)が合成されます。ロイコトリエンの生理活性:ロイコトリエンは主にGタンパク質結合受容体の亜種と結合し、気管支喘息やアレルギーの反応や炎症反応の維持に関与しています。特にロイコトリエンB4(LTB4)は、好中球や単球の原型質膜上に存在するBLT1とBLT2受容体を刺激し、これらの細胞を活性化する強力な化学誘発因子です。例えば、olopatazine は5-lipoxygenase を阻害してロイコトリエン産生を抑える効果が計算上成立します。