動脈硬化と梗塞のきちんとした理解
まず急性冠症候群といわれる状態について、まずは血管の攣縮があります。攣縮によって内腔側のプラ-ク圧が上がり破綻します。プラ-ク内物質が攣縮して狭くなっている内腔内で血栓を作ります。多くの例でまずは攣縮です。よく目にする図に惑わされないように理解しましょう。
IMTを測定してイベントとの相関性がよく論じられます。軟性プラ-クなどプラ-ク内容物や量、プラ-ク皮膜の性質によって破綻のしやすさや血栓の完成のしやすさがイベントの発症率に大きく寄与します。
プラ-クの性質は単にLDLの値だけでは推測できません。障害血管の場所や周囲の環境も影響します。たとえば血管周囲に脂肪細胞が多ければ周囲の脂肪細胞から新生血管が障害動脈の外側から中膜レベルまで侵入しリンパ球、好中球、好酸球、単球とともにTGなどが直達します。大動脈の異常などは胸部、腹部それぞれ周囲の脂肪細胞からかなり影響を受けています。だからメタボやインスリン抵抗性という状態が悪いのです。 内頚動脈などは慢性の咽頭炎、扁桃腺炎の背景で障害度が変化するという文献もあります。
LDLさえ下げればいいという極論に惑わされないで下さい。統計的な残余リスクが40%残っています。ちなみにNON-HDLとLDLの二つだけでリスクを推測するならNON-HDLのほうが予見率が高いと確かめられています。