自己抗原を認識するリンパ球が胸腺で選択排除されるメカニズムについて
自己抗原を認識するリンパ球が胸腺で選択排除されるメカニズムは、主に「正の選択」と「負の選択」という2段階のプロセスを通じて行われます。
正の選択:
- 胸腺の皮質で行われます。
- 皮質上皮細胞が自己の主要組織適合性複合体(MHC)を提示し、T細胞受容体(TCR)がこれを認識できるかどうかをテストします。
- 自己MHCを認識できないT細胞はアポトーシス(プログラムされた細胞死)により排除されます1。
負の選択:
- 胸腺の髄質で行われます。
- 樹状細胞や髄質上皮細胞が自己抗原を提示し、TCRがこれに反応するかどうかをテストします。
- 自己抗原に反応するT細胞はアポトーシスにより排除されます。これにより、自己反応性のT細胞が体内に残らないようにします12。
このようにして、自己抗原に反応しないT細胞だけが成熟し、体内に残ることができます。このプロセスは免疫寛容の一環として非常に重要であり、自己免疫疾患の予防に寄与しています。
2025年1月3日 | カテゴリー:免疫疾患 |