慢性腎臓病とオステオポンチンについて
尿細管細胞が障害されると、オステオポンチンが産生されそれが間質の線維芽細胞に運ばれて線維が増生されCKDが悪化する
Tubular injury and peripheral fibroblast activation are the hallmarks of chronic kidney disease (CKD), suggesting intimate communication between the two types of cells. However, the underlying mechanisms remain to be determined. Exosomes play a role in shuttling proteins and other materials to recipient cells. In our study, we found that exosomes were aroused by β-catenin in renal tubular cells. Osteopontin (OPN), especially its N-terminal fragment (N-OPN), was encapsulated in β-catenin-controlled tubular cell-derived exosome cargo, and subsequently passed to fibroblasts. Through binding with CD44, exosomal OPN promoted fibroblast proliferation and activation. Gene deletion of β-catenin in tubular cells (Ksp-β-catenin-/- ) or gene ablation of CD44 (CD44-/- ) greatly ameliorated renal fibrosis. Notably, N-OPN was carried by exosome and secreted into the urine of patients with CKD, and negatively correlated with kidney function. The urinary exosomes from patients with CKD greatly accelerated renal fibrosis, which was blocked by CD44 deletion. These results suggest that exosome-mediated activation of the OPN/CD44 axis plays a key role in renal fibrosis, which is controlled by β-catenin.
古典的Wnt経路(Wnt/β-カテニン経路)では、細胞質にβ-カテニンが蓄積する。最終的にはβ-カテニンは核に移行し、TCF/LEFファミリーに属する転写因子のコアクチベーターとして機能する。
Wntが存在しない場合には、β-カテニンは分解複合体(destruction complex)によって分解されるため、細胞質に蓄積することはない。この分解複合体は、Axin、APC、PP2A、GSK3、CK1αなどから構成される。この複合体はβ-カテニンをユビキチン化の標的とすることで分解を誘導し、その後β-カテニンはプロテアソームへ送られて分解される。WntがFzとLPR5/6に結合すると、分解複合体の細胞膜移行が引き起こされ、分解複合体の機能は停止する。その結果、β-カテニンは蓄積して核に局在し、TCF/LEF転写因子とともに遺伝子転写を介した細胞応答を誘導する。β-カテニンは、BCL9、Pygopus、Parafibromin/Hyraxなど他の転写コアクチベーターもリクルートする。こうしたβ-カテニンによって組み立てられる転写複合体の複雑性は、ハイスループットなプロテオミクス研究によって理解されるようになったばかりである。一方で、β-カテニンがどのように標的遺伝子の発現を駆動するのかに関する統一的理論はいまだ存在せず、β-カテニンによる標的遺伝子の決定は組織特異的な因子によって補助されている可能性がある。また、β-カテニンの核移行にはWnt非依存的な機構も存在し、細胞接触部位に局在しているβ-カテニンはAktによってSer552が直接リン酸化されることで膜近傍から解離して細胞質基質に蓄積し、その後14-3-3ζがβ-カテニンと相互作用することで核移行が促進される。また、BCL9とPygopusもβ-カテニン非依存的(すなわちWnt非依存的)な機能をいくつか持つことも報告されている