IgG4関連疾患について/ショート
IgG4関連疾患(IgG4-RD)は、免疫グロブリンGのサブクラスであるIgG4が関与する原因不明の全身性、慢性炎症性疾患です。
この疾患は、血清中のIgG4が高値を示し、罹患臓器にIgG4陽性形質細胞が著しく浸潤することが特徴です12。
主な特徴
- 全身性疾患: 複数の臓器に同時または異時に病変が現れることが多いです。代表的な罹患臓器には膵臓、胆管、涙腺、唾液腺、腎臓、肺などがあります12。
- 慢性炎症: 病変部位にリンパ球とIgG4陽性形質細胞が浸潤し、線維化が進行します1。
- 症状の多様性: 症状は罹患臓器によって異なり、例えば自己免疫性膵炎では腹痛や黄疸、涙腺・唾液腺の腫脹ではドライアイやドライマウスが見られます2。
診断と治療
- 診断: 血清IgG4値の測定や病理組織学的検査が行われます。診断基準には、臓器の腫大や結節、血清IgG4高値、組織のリンパ球・形質細胞浸潤などが含まれます12。
- 治療: ステロイドが第一選択薬であり、症状の改善が期待されますが、再発することも多いため、長期的な管理が必要です1。
この疾患は比較的新しい概念であり、研究が進むにつれて理解が深まっています。