ベーチェト病のGWAS結果
ベーチェット病に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)の研究では、いくつかの重要な疾患感受性遺伝子が特定されています。2010年に行われた研究では、新たに IL10 および IL23R-IL12RB2 の2つの遺伝子領域がベーチェット病の感受性に関連していることが報告されました12。
さらに、最近の研究では、IL1A-IL1B、RIPK2、ADO-EGR2、LACC1、IRF8、CEBPB-PTPN1 などの遺伝子領域が新たに同定され、これらがベーチェット病の発症メカニズムに関与していることが示唆されています34。
これらの発見は、ベーチェット病の病態理解を深めるだけでなく、将来的には個人の遺伝情報に基づいた新たな治療法の開発にもつながる可能性があります。
ベーチェット病の新規の疾患感受性遺伝子および発症メカニズムを解明
竹内正樹特任助教と水木信久主任教授、目黒明特任講師らは、厚生労働省の特定疾患(難病)の一つであるベーチェット病を対象とした過去最大規模の遺伝子解析研究をアメリカ国立衛生研究所、トルコ・イスタンブール大学などと共同で行い、ベーチェット病の遺伝要因(疾患感受性遺伝子)および発症メカニズムを詳細に解明しました。
ベーチェット病は原因不明の全身性炎症性疾患で、長期間にわたり再発と寛解を繰り返し、重症例では眼病変によって失明に至ることもあります。本研究により、ベーチェット病の疾患感受性遺伝子として新たに「IL1A-IL1B」、「RIPK2」、「ADO-EGR2」、「LACC1」、「IRF8」、「CEBPB-PTPN1」領域が同定されました。また、同定した遺伝子の機能解析により、IL1A-IL1BのSNP*1のリスクアリル*2を2個保有する人においてIL-1βが増加し、またIL-1αが低下していることが明らかになりました。このことから、IL-1αの皮膚バリア機能の低下によって、侵入した病原体への過剰なIL-1βを介した免疫反応がベーチェット病の発症メカニズムに関与することが示唆されました。さらに、本研究において同定された疾患感受性遺伝子の多くが、炎症性腸疾患であるクローン病や、感染症であるハンセン病と共通することが分かりました。これらの成果により、ベーチェット病の疾患感受性遺伝子や発症メカニズムが解明されただけでなく、将来的には個人の遺伝情報に基づいた、効果的で副作用の少ない新たな治療薬の開発が期待されます。
本研究成果は、主要国際雑誌である「Nature Genetics(ネイチャー・ジェネティクス)」に掲載されました。それを受け、2017年2月6日に厚生労働記者会にて記者会見を開き、テレビ朝日、読売新聞、日本経済新聞、時事通信など多くのメディアで報道されました。
研究の背景
ベーチェット病は我が国の特定疾患(難病)の一つであり、難治性口内炎、ぶどう膜炎、陰部潰瘍、皮膚病変を4主症状とする原因不明の難治性炎症性疾患です。再発と寛解を繰り返し、重症例では眼の網膜が不可逆的なダメージを受け失明に至ることもあります。ベーチェット病は、北緯30度から45度の地中海沿岸諸国(トルコなど)、中近東諸国(イランなど)、東アジア(日本など)に好発し、この地理的特徴からシルクロード病とも呼ばれています。ベーチェット病の発症には遺伝要因と環境要因の両方が関与していることが以前より考えられており、ベーチェット病の最も強い遺伝要因としてHLA-B*51が知られています。しかしながら、ベーチェット病の発症メカニズムは未だ明確ではないため、それに関与する遺伝要因と環境要因の全容を解明する必要があります。
ヒトの遺伝情報はほとんどが共通していますが、0.1%程度の個人差(多型性)があることが知られています。その個人差の一つである一塩基の変異による多型は一塩基多型(SNP)と呼ばれ、疾患との関連について今日まで多くの研究が行われてきました。特に、2000年代後半からはマイクロアレイ*4を用いてゲノム全体を網羅するSNP解析(GWAS*5)が可能となりました。ベーチェット病では、2010年に水木信久主任教授らのグループが行ったGWASにより、新規の疾患感受性遺伝子としてIL10およびIL23R-IL12RB2の2遺伝子領域が世界で初めて報告されました。その後、他の報告によって、ベーチェット病の疾患感受性遺伝子が複数同定されてきましたが、ベーチェット病の遺伝要因および発症メカニズムの全容は依然として解明されていませんでした。近年、様々な疾患のGWASの結果をもとにして、免疫に関連する遺伝子領域を特異的かつ高密度に解析することができるマイクロアレイ(Immunochip、イルミナ社)が開発され、これによって他の免疫関連疾患で新たに多くの疾患感受性遺伝子が同定されています。
研究の内容
Immunochipを用いたベーチェット病の遺伝子解析を行うため、日本・アメリカ・トルコ・ポルトガル・イランの5カ国に及ぶ国際共同研究を遂行しました。本研究では、日本人・トルコ人・イラン人集団の患者計3,477例および健常者計3,342例を用いて遺伝子解析を実行しました(図1)。
図1:本研究の研究デザイン
まず、Immunochipを用いてトルコ人集団のGWASを行ったところ、IL1A-IL1B、IRF8、CEBPB-PTPN1領域においてベーチェット病とのゲノムワイドレベルの相関(P < 5×10-8)が認められました(図2)。次に、Immunochip を用いて取得したトルコ人集団のGWASデータと2010年に水木信久主任教授らのグループが取得した日本人集団のGWASデータを結合したメタ解析を行い、RIPK2、ADO-EGR2、LACC1、IRF8領域でゲノムワイドレベルの相関が認められました。さらに、イラン人集団を用いてトルコ人データの再現性を確認したところ、ADO-EGR2、IRF8、CEBPB-PTPN1領域で再現性が確認され、トルコ人集団とのメタ解析によりゲノムワイドレベルの相関が検出されました。
図2:本研究により見出されたヒトゲノム全域におけるSNPとベーチェット病の関連性
グラフ内に、Immunochip*3を用いて解析された約13万個のSNPをプロットした。横軸が染色体ごとのSNPの位置を示し、縦軸がベーチェット病との関連性の強さを示す。上に位置するSNPほど、ベーチェット病との関連性が強くなる。本研究によって新規に同定された疾患感受性遺伝子領域を赤字で記した。
次に、疾患と強い相関を示したIL1A-IL1B領域のSNP(rs4402765)を対象に、IL1A遺伝子およびIL1B遺伝子の機能解析を行った結果、rs4402765のリスクアリルを2個保有する人において、IL1B遺伝子からコードされるIL-1βが有意に上昇することが分かりました(図3)。IL-1βは炎症性サイトカインの一つであり、病原体に対する生体の免疫反応において重要な役割を担っています。ベーチェット病患者ではIL-1βが上昇していることや、治療にIL-1β阻害薬が有効であることが報告されており、本研究の発見はこれらの知見に沿ったものと言えます。一方、IL1A遺伝子からコードされるIL-1αはrs4402765のリスクアリルを2個保有する人において有意に低下していました(図3)。IL-1αは表皮に多く発現する炎症性サイトカインであり、皮膚での生態防御に関与しているため、リスクアリルを2個保有する人では病原体に対しての皮膚のバリア機能が弱くなっていることが示唆されます。以前より、病原体の感染がベーチェット病発症の契機になることが考えられてきましたが結論には至っていませんでした。
図3:健常者末梢血単核球におけるIL1A-IL1B領域のジェノタイプ(rs4402765;リスクアリルC)とタンパク質発現量。a IL-1α、b IL-1β
本研究の結果から、rs4402765のリスクアリルを2個保有する人では、バリア機能の低下によって体内に侵入した病原体に過剰な免疫応答が起き、ベーチェット病の発症につながっている可能性が示唆されました。本研究で同定された遺伝子の多くは炎症性腸疾患の一つであるクローン病と共通していました。クローン病とベーチェット病は臨床像に多くの共通点があり、本研究の結果から両疾患の遺伝的背景も近いことが分かりました。さらに興味深い事に、ベーチェット病の疾患感受性遺伝子はハンセン病とも多く共通していました。ハンセン病はらい菌による感染症であることからも、ベーチェット病の発症に病原体が関与していることが強く示唆されます。
今後の展開
本研究は過去最大の国際的なベーチェット病の遺伝子解析研究で、これによりベーチェット病発症の要因となる疾患感受性遺伝子が多数同定されました。そして、同定された疾患感受性遺伝子の機能解析により、それらの遺伝子がベーチェット病の病態にどのように関与するかが解明されました。本研究の遺伝学的成果をこれまでの遺伝学的知見と結合することで、ベーチェット病の発症に関与する遺伝要因および発症メカニズムの全容が明らかになりました。また、本研究の遺伝学的成果は、環境要因として考えられている病原体の存在がベーチェット病に強く関係していることを示唆するものであり、今後の環境要因の解明にも大いに貢献するものと考えられます。また、本研究の結果をもとに、将来的には、個人の遺伝情報に基づいた疾患の予防・予後の予測や、特定の分子を標的とした分子製剤による効果的で副作用のより少ないテーラーメイド治療の開発に繋がることが期待されます。
用語解説
*1 SNP
single nucleotide polymorphism(一塩基多型)の略。ヒトゲノムは30億塩基対のDNAからなるとされているが、個々人を比較するとそのうちの 0.1%の塩基配列に違いがあると見られており、これを遺伝子多型と呼ぶ。遺伝子多型のうち、1つの塩基が他の塩基に置き変わるものをSNPと呼ぶ。SNPは最も多く存在する遺伝子多型である。遺伝子多型のタイプにより遺伝子をもとに体内で作られるタンパク質の働きが微妙に変化し、疾患の罹り易さや医薬品への反応に変化が生じる。
*2 リスクアリル
SNPの核酸塩基のうち、疾患に感受性を示す核酸塩基のこと。
*3 Immunochip
主要な自己免疫疾患や炎症性疾患をより詳細に解析するために開発されたカスタムメイドのマイクロアレイであり、慢性関節リウマチやクローン病など12種類の免疫関連疾患のGWASデータを元に186遺伝子座に位置するSNPが網羅的にデザインされている。Immunochipを用いることで、免疫関連遺伝子領域に分布するSNPを高密度に解析することができ、GWASでは同定できなかったSNPを探索することが可能である。
*4 マイクロアレイ
ガラス製の基盤にDNAの部分配列が高密度に配置された分析器具であり、DNAチップとも呼ばれる。検体のDNAと部分配列を反応させて得られる蛍光の強度を測定することにより、数万から百万ほどのSNP情報を一度に調べることができる。
*5 GWAS
genome-wide association study(ゲノムワイド関連解析)の略。ゲノム全域を網羅する遺伝子多型(主にSNP)を対象に、ある疾患を持つ群と持たない群との間で統計学的に有意な頻度差を示す遺伝子多型を検索する手法。
掲載論文
Takeuchi M, Mizuki N, Meguro A, Ombrello MJ, Kirino Y, Satorius C, Le J, Blake M, Erer B, Kawagoe T, Ustek D, Tugal-Tutkun I, Seyahi E, Ozyazgan Y, Sousa I, Davatchi F, Francisco V, Shahram F, Abdollahi BS, Nadji A, Shafiee NM, Ghaderibarmi F, Ohno S, Ueda A, Ishigatsubo Y, Gadina M, Oliveira SA, Gül A, Kastner DL, Remmers EF. Dense genotyping of immune-related loci implicates host responses to microbial exposure in Behçet’s disease susceptibility. Nat Genet.49(3);438-443, 2017. doi: 10.1038/ng.3786
※本研究は、アメリカ国立ヒトゲノム研究所、アメリカ国立関節炎・筋骨格および皮膚疾患研究所、日本学術振興会、公益財団法人 かなえ医薬振興財団、公益財団法人 武田科学振興財団、公益財団法人 先進医薬研究振興財団、横浜生命科学振興財団、ポルトガル科学技術財団、テヘラン大学医科学研究委員会による研究助成を受けて行われました。
この診療ガイドラインは、「ベーチェット病」を主題として、日本ベーチェット病学会、厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)ベーチェット病に関する調査研究班、厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班によって作成されています。2020年1月27日に診断と治療社から発行されました。Mindsでは、2020年6月23日に選定部会にて選定されています。
目次
序文
執筆・協力一覧
略語一覧
第1章 ガイドライン作成にあたって
第2章 ベーチェット病の疾患概念,病因・病態
[1] 疾患概念
[2] 病因・病態
第3章 ベーチェット病の臨床
[1] 症状,身体所見
❶ 主症状
(a) 口腔内アフタ性潰瘍
(b) 皮膚症状
(c) 眼症状
(d) 外陰部潰瘍
❷ 副症状
(a) 関節炎
(b) 精巣上体炎(副睾丸炎)
(c) 消化器病変(腸管型ベーチェット病)
(d) 血管病変(血管型ベーチェット病)
(e) 中枢神経病変(神経型ベーチェット病)
[2] 血液生化学検査所見
[3] 厚生労働省ベーチェット病診断基準(2016年小改訂)
[4] ベーチェット病重症度分類(2016年小改訂)
[5] 疫学(症状,重症度の変遷)
[6] ベーチェット病患者の妊娠について
[7] 小児ベーチェット病の特徴
第4章 ベーチェット病の診療ガイドライン
[1] 診断・治療に関するアルゴリズム
❶ 皮膚粘膜病変治療アルゴリズム
❷ 眼病変治療アルゴリズム
❸ 関節病変治療アルゴリズム
❹ 精巣上体炎診断治療アルゴリズム
❺ 腸管型ベーチェット病診断治療アルゴリズム
❻ 血管型ベーチェット病診断治療アルゴリズム
❼ 神経型ベーチェット病診断治療アルゴリズム
[2] 診断・治療のクリニカルクエスチョン(CQ)と推奨文,推奨度,解説
❶ 皮膚粘膜病変CQ
(a) 口腔内アフタ性潰瘍
CQ1 副腎皮質ステロイド外用薬はベーチェット病の口腔内アフタ性潰瘍に対して有効か?
CQ2 副腎皮質ステロイド全身投与はベーチェット病の口腔内アフタ性潰瘍に対して有効か?
CQ3 コルヒチンはベーチェット病の口腔内アフタ性潰瘍に対して有効か?
CQ4 粘膜保護薬はベーチェット病の口腔内アフタ性潰瘍に対して有効か?
CQ5 抗菌薬はベーチェット病の口腔内アフタ性潰瘍に対して有効か?
CQ6 TNF阻害薬はベーチェット病の口腔内アフタ性潰瘍に対して有効か?
CQ7 アプレミラストはベーチェット病の口腔内アフタ性潰瘍に対して有効か?
(b) 外陰部潰瘍
CQ8 副腎皮質ステロイド外用薬はベーチェット病の外陰部潰瘍に対して有効か?
CQ9 副腎皮質ステロイド全身投与はベーチェット病の外陰部潰瘍に対して有効か?
CQ10 コルヒチンはベーチェット病の外陰部潰瘍に対して有効か?
CQ11 TNF阻害薬はベーチェット病の外陰部潰瘍に対して有効か?
(c) 結節性紅斑
CQ12 副腎皮質ステロイド外用薬はベーチェット病の結節性紅斑に対して有効か?
CQ13 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)はベーチェット病の結節性紅斑に対して有効か?
CQ14 ミノサイクリンはベーチェット病の結節性紅斑に対して有効か?
CQ15 DDS(ジアミノジフェニルスルホン;ダプソン)はベーチェット病の結節性紅斑に対して有効か?
CQ16 コルヒチンはベーチェット病の結節性紅斑に対して有効か?
CQ17 副腎皮質ステロイド全身投与はベーチェット病の結節性紅斑に対して有効か?
CQ18 TNF阻害薬はベーチェット病の結節性紅斑に対して有効か?
(d) 毛包炎様皮疹
CQ19 副腎皮質ステロイド外用薬は毛包炎様皮疹(痤瘡様皮疹)に対して有効か?
CQ20 抗菌薬はベーチェット病の毛包炎様皮疹(痤瘡様皮疹)に対して有効か?
CQ21 コルヒチンはベーチェット病の毛包炎様皮疹(痤瘡様皮疹)に対して有効か?
(e) 血栓性静脈炎
CQ22 ベーチェット病の皮下の血栓性静脈炎で,皮膚生検は必要か?
CQ23 副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬の全身投与はベーチェット病の皮下の血栓性静脈炎に対して有効か?
CQ24 ワルファリンはベーチェット病の皮下の血栓性静脈炎に対して有効か?
CQ25 コルヒチンはベーチェット病の皮下の血栓性静脈炎に対して有効か?
❷ 眼病変CQ
(a) 眼発作時の治療
CQ1 副腎皮質ステロイド点眼薬は前眼部発作に対して有効か?
CQ2 前眼部発作時に散瞳薬点眼は必要か?
CQ3 副腎皮質ステロイド結膜下注射は前眼部発作に対して有効か?
CQ4 副腎皮質ステロイド点眼薬は後眼部発作に対して有効か?
CQ5 副腎皮質ステロイドの後部テノン嚢下注射は後眼部発作に対して有効か?
CQ6 副腎皮質ステロイドの内服は黄斑部やその近傍の眼発作に対して有効か?
(b) 眼発作抑制の治療(TNF阻害薬以外の治療)
CQ7 コルヒチンは眼発作抑制に対して有効か?
CQ8 コルヒチンの減量・中止は可能か?
CQ9 コルヒチン投与中の全身モニタリングはどのように行うか?
CQ10 シクロスポリンは眼発作抑制に対して有効か?
CQ11 シクロスポリンの減量・中止はどのように行うか?
CQ12
①シクロスポリンは神経型ベーチェット病を誘発する可能性があるか?
②神経型ベーチェット病の既往のある患者にシクロスポリン投与は避けるべきか?
CQ13 シクロスポリン投与中の全身モニタリングはどのように行うか?
CQ14 シクロスポリン導入後,他の発作抑制薬はどのようにするか?
CQ15 副腎皮質ステロイド全身投与は眼発作予防に対して有効か?
(c) TNF阻害薬
CQ16 インフリキシマブは眼発作抑制に対して有効か?
CQ17 急性期の眼発作に対してインフリキシマブによる消炎効果は期待できるか?
CQ18 インフリキシマブの導入により,視力の回復は期待できるか?
CQ19 インフリキシマブが無効(一次無効)もしくは効果不十分(二次無効)の症例にはどのように対応するか?
CQ20 眼発作が消失した患者では,インフリキシマブを中断できるか?
CQ21 眼発作が消失した患者では,インフリキシマブの投与間隔を延長することは可能か?
CQ22 眼病変に対してインフリキシマブを導入する際の導入基準は何か?
CQ23 インフリキシマブの導入後,他の発作抑制薬はどのようにするか?
CQ24 アダリムマブは眼発作抑制に対して有効か?
CQ25 アダリムマブの導入により,視力の回復は期待できるか?
CQ26 アダリムマブが無効(一次無効)もしくは効果不十分(二次無効)の症例にはどのように対応するか?
CQ27 眼発作が消失した患者では,アダリムマブを中断できるか?
CQ28 眼発作が消失した患者では,アダリムマブの投与間隔を延長することは可能か?
CQ29 眼病変に対してアダリムマブを導入する際の導入基準は何か?
CQ30 アダリムマブを導入後,他の発作抑制薬はどのようにするか?
CQ31 眼症状に対してTNF阻害薬を導入する際の医師および医療施設の条件は何か?
CQ32 コルヒチンで効果不十分な網膜ぶどう膜炎にシクロスポリンを使用することなく,TNF阻害薬を導入することは可能か?
(d) 眼科手術
CQ33 併発白内障に対する手術はどのように行うか?
CQ34 続発緑内障(開放隅角)に対する手術はいつ,どのように行うか?
CQ35 瞳孔ブロックによる眼圧上昇には,どのように対処するか?
CQ36 硝子体手術はどのような場合に行うか?
CQ37
①網膜裂孔を発見したときはどのように対応するか?
②蛍光眼底造影検査で網膜無灌流領域が検出された場合,光凝固術を行うか?
❸ 関節病変CQ
CQ1 ベーチェット病の関節病変の臨床的特徴は何か?
CQ2 ベーチェット病の関節炎の鑑別に有用な検査は何か?
CQ3 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)はベーチェット病の関節炎に対して有効か?
CQ4 副腎皮質ステロイドはベーチェット病の関節炎に対して有効か?
CQ5 コルヒチンはベーチェット病の関節炎に対して有効か?
CQ6 免疫抑制薬(アザチオプリン,メトトレキサート)はベーチェット病の関節炎に対して有効か?
CQ7 TNF阻害薬はベーチェット病の関節炎に対して有効か?
❹ 精巣上体炎CQ
CQ1 ベーチェット病に特徴的な泌尿器病変は何か?
CQ2 ベーチェット病の精巣上体炎は予後に影響するか?
CQ3 ベーチェット病の精巣上体炎と鑑別診断が必要なのは何か?
CQ4 ベーチェット病の精巣上体炎の治療は何か?
❺ 腸管病変CQ
(a) 診断
CQ1 腸管型ベーチェット病の臨床症状にはどのようなものがあるか?
CQ2 腸管型ベーチェット病の臨床検査所見の特徴は?
CQ3 腸管型ベーチェット病の内視鏡所見の特徴は?
CQ4 腸管型ベーチェット病の鑑別診断は?
CQ5 腸管型ベーチェット病の評価にCTは有用か?
CQ6 腸管型ベーチェット病の病理学的所見の特徴は?
(b) 予後
CQ7 腸管型ベーチェット病の臨床経過と予後は?
(c) モニタリングと治療目標
CQ8 腸管型ベーチェット病の重症度はどのように判定するか?
CQ9 腸管型ベーチェット病の疾患活動性はどのようにモニタリングするか?
CQ10 腸管型ベーチェット病の治療目標として血清CRP陰性化を目指すべきか?
CQ11 腸管型ベーチェット病の治療目標として内視鏡的寛解(粘膜治癒)を目指すべきか?
(d) 治療(内科的治療)・総論
CQ12 腸管型ベーチェット病の寛解導入療法はどのようなものがあるか?
CQ13 腸管型ベーチェット病の寛解維持療法はどのようなものがあるか?
(e) 治療(内科的治療)・各論
CQ14 5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤は腸管型ベーチェット病に対して有効か?
CQ15 副腎皮質ステロイドは腸管型ベーチェット病に対して有効か?
CQ16 免疫調節薬(チオプリン製剤,メトトレキサート)は腸管型ベーチェット病に対して有効か?
CQ17 アザチオプリン,6-メルカプトプリンの副作用リスク予測に遺伝子検査は有用か?
CQ18 経腸栄養療法は腸管型ベーチェット病に対して有効か?
CQ19 禁食下の中心静脈栄養は腸管型ベーチェット病に対して有効か?
CQ20 コルヒチンは腸管型ベーチェット病に対して有効か?
CQ21 TNF阻害薬は腸管型ベーチェット病に対して有効か?
CQ22 カルシニューリン阻害薬(シクロスポリン,タクロリムス)は腸管型ベーチェット病に対して有効か?
(f) 治療(外科的治療)
CQ23 腸管型ベーチェット病に対する外科的治療の適応は何か?
CQ24 腸管型ベーチェット病の術後はどのような経過を辿るか?
CQ25 腸管型ベーチェット病の術後再発リスクを下げるために治療介入するべきか?
(g) その他(小児例,トリソミー8など)
CQ26 小児期発症の腸管型ベーチェット病の特徴は何か?
CQ27 小児期発症の腸管型ベーチェット病の治療に関する注意点は何か?
CQ28 骨髄異形成症候群に合併する腸管型ベーチェット病の特徴は何か?
❻ 血管病変CQ
CQ1 頻度の高い静脈病変にはどのようなものがあり,疑ったとき行うべき検査は何か?
CQ2 動脈病変にはどのようなものがあり,疑ったとき行うべき検査は何か?
CQ3 肺動脈病変の特徴とその診断に必要な検査は何か?
CQ4 心病変にはどのようなものがあり,疑ったとき行うべき検査は何か?
CQ5 静脈病変(血栓症)の原因としてベーチェット病と鑑別すべきリスク因子や疾患は何か?
CQ6 ベーチェット病の動脈病変と鑑別すべき疾患は何か?
CQ7 ベーチェット病の肺動脈病変と鑑別すべき疾患は何か?
CQ8 血管病変の活動性はどのように判定するか?
CQ9 ベーチェット病の深部静脈血栓症に免疫抑制療法は必要か?
CQ10 抗凝固療法は深部静脈血栓症に対して有効か?
CQ11 ベーチェット病が原因の肺以外の動脈瘤に対する内科的治療は?
CQ12 免疫抑制療法は肺動脈病変に対して有効か?
CQ13 TNF阻害薬は血管病変に対して有効か?
CQ14 心血管病変に対する外科手術の適応は?
CQ15 末梢血管病変に対する外科手術の適応と有効性は?
CQ16 動脈瘤の血管内治療の有効性と安全性は?
CQ17 周術期の免疫抑制療法は血管病変に対して有効か?
❼ 神経病変CQ
(a) 神経型ベーチェット病の一般的事項
CQ1 ベーチェット病の診断基準において,副症状に「中等度以上の中枢神経病変」とあるが,「中等度以上」とは何を目安にするのか?
(b) 急性型神経型ベーチェット病について
CQ2 急性型神経型ベーチェット病の急性期の治療で,副腎皮質ステロイドの使用量はどのようにするか?
CQ3 急性型神経型ベーチェット病の急性期の治療で,インフリキシマブはどのような場合に使用するか?
CQ4 急性型神経型ベーチェット病の発作予防のためのコルヒチンはいつから開始し,どれくらいの期間継続するべきか?
CQ5 急性型神経型ベーチェット病にシクロスポリンが使用されている場合はどうするか?
CQ6 メトトレキサート,シクロホスファミド,アザチオプリンは急性型神経型ベーチェット病の急性期の治療・発作予防に対して有効か?
CQ7 インフリキシマブは急性型神経型ベーチェット病の発作予防に対して有効か?
CQ8 慢性進行型神経型ベーチェット病への移行の有無はどのようにチェックするか?
(c) 慢性進行型神経型ベーチェット病について
CQ9 慢性進行型神経型ベーチェット病は先行症状として急性型神経型ベーチェット病の症状が必発するのか?
CQ10 慢性進行型神経型ベーチェット病の治療において脳脊髄液のIL-6はどの程度まで下げなくてはいけないのか?
CQ11 慢性進行型神経型ベーチェット病の治療においてインフリキシマブはいつから開始すべきか?
CQ12 慢性進行型神経型ベーチェット病の患者の治療目標をどのように設定するか?
CQ13 慢性進行型神経型ベーチェット病の治療において,頭部MRIや脳脊髄液のIL-6はどれくらいの頻度で検査を行うべきか?
❽ 小児ベーチェット病CQ
CQ1 小児ベーチェット病の診断はどのように行うか?
CQ2 小児ベーチェット病の鑑別診断には,どのような疾患があるか?
CQ3 小児ベーチェット病の治療薬として使用できない成人ベーチェット病の治療薬はあるか?
CQ4 小児ベーチェット病患者および小児期にワクチン未接種や抗体陰性の成人患者へのワクチンはどのように行うか?
CQ5 小児ベーチェット病患者の成人移行における目標は?
❾ 治療総論CQ
(a) TNF阻害薬に関する注意点
CQ1 TNF阻害薬の導入前スクリーニングは何を行うか?
CQ2 TNF阻害薬の投与禁忌はどのような場合か?
CQ3 TNF阻害薬の投与中に感染症を発症した場合はどうするか?
CQ4 TNF阻害薬投与中のワクチンの接種の注意点は何か?
CQ5 高齢者へのTNF阻害薬の投与は可能か?
(b) 妊娠・授乳中の薬物治療リスク
CQ6 妊娠中の患者にコルヒチン投与は適切か?
CQ7 挙児希望男性患者にコルヒチン投与は適切か?
CQ8 妊娠中の患者に副腎皮質ステロイドの投与が必要な場合はどうするか?
CQ9 妊娠中の患者に投与を考慮してもよい免疫抑制薬は何か?
CQ10 妊娠中の患者に投与を回避すべき免疫抑制薬は何か?
CQ11 妊娠中の患者にTNF阻害薬の投与は可能か?
CQ12 TNF阻害薬の投与を受けた妊婦からの出生児について留意すべきことは何か?
CQ13 服用に際して授乳を避けるべき免疫抑制薬は何か?
CQ14
①チオプリン製剤の副作用リスク予測に遺伝子検査は有用か?
②遺伝子検査結果に基づき治療方針を変更すべきか?
第5章 参考資料・情報
[1] ベーチェット病国際診断基準(ISG,ICBD,PEDBDなど)との比較
[2] 神経型ベーチェット病メタ解析
[3] ベーチェット病臨床調査個人票(2016年改訂)
[4] 関連情報
[5] ベーチェット病患者会情報
[6] ベーチェット病に関する調査研究班のあゆみ
2024年11月16日 | カテゴリー:関節リウマチ リウマチ外来, 膠原病, 免疫疾患 |