リウマチ膠原病において皮膚に好中球が浸潤するもの
- 壊疽性膿皮症(えそせいのうひしょう)
- ベーチェット病
- 持久性隆起性紅斑(じきゅうせいりゅうきせいこうはん)
- 蕁麻疹様血管炎(じんましんようけっかんえん)
- 結節性紅斑(けっせつせいこうはん)
- 多型紅斑(たけいこうはん)
- 皮膚エリテマトーデス(ひふエリテマトーデス)
これらの疾患は、いずれも皮膚に好中球の浸潤を認めることが特徴です。また、Sweet病と同様に自己免疫性疾患や血液腫瘍(例えば、骨髄異形成症候群や白血病)と関連することが多いです。
33歳男性.25歳時にCrohn病を発症したが,2005年以降は整腸剤のみで経過観察されていた.2007年11月から右下腿に有痛性潰瘍が出現した.2008年1月,他院で壊疽性膿皮症を疑われプレドニゾロン(PSL)30 mg/日を投与された.PSL 60 mg/日まで増量,パルス療法も施行されたが改善しないため,同年3月31日に当科へ紹介された.初診時,右下腿に手掌大,易出血性の隆起性増殖性潰瘍を認めた.病理組織学的には,真皮から筋層にかけて好中球を主とする炎症細胞が密に浸潤していた.入院後の精査で右下肢深部静脈血栓症が発見された.抗凝固療法を開始すると共に,PSLを60 mg/日継続に加え,シクロスポリン(CyA)3 mg/kg/日を併用したところ,速やかな皮膚症状の改善が認められた.PSLを漸減後,残存する潰瘍については植皮術を施行した.当科において過去5年間に経験した壊疽性膿皮症10例を併せて集計し若干の検討を試みた.
乾癬のシクロスポリン(CYA)療法の重要な副作用の1つに腎障害がある.今回,CYA治療を受けた乾癬患者9名,壊疽性膿皮症患者1名に腎生検を施行し組織学的検討を行い,経過中のCYA用量,検査成績などとの関連性について検討した.対象は,乾癬患者9名(男性7名,女性2名,32~72歳),壊疽性膿皮症患者1名(女性,32歳),CYA治療期間は6週間~11年(平均治療期間:3.24年).腎生検所見は糸球体病変,間質病変,血管病変について検討し,その所見をスコア化(CYA腎障害スコア)した.このCYA腎障害スコアと,年齢,CYA治療期間,平均CYA用量,総CYA用量,生検時血清Cr値,24時間クレアチニンクリアランス(24hCcr)との関連性について検討した.その結果,CYA腎障害スコアと年齢,24hCcr間に関連性を認めた.CYA治療を行う際に高齢者に対して注意を要することを再確認したとともに,CYA腎障害を知る検査法として24hCcrが有用と考えられた.
ベーチェット病の髄膜炎にタクロリムスを使用した症例報告については、以下のような情報が見つかりました。
神経ベーチェット病の症例報告:この報告では、髄膜炎様症状を呈した神経ベーチェット病の患者に対して、メチルプレドニゾロンパルス療法と抗生物質の併用が行われましたが、タクロリムスの使用に関する具体的な記述は見当たりませんでした1。
難治性神経ベーチェット病の症例報告:こちらの報告では、インフリキシマブが奏効した例が紹介されていますが、タクロリムスの使用に関する情報は含まれていません2。
タクロリムスを使用した具体的な症例報告は見つかりませんでしたが、他の免疫抑制剤や生物学的製剤が使用されるケースが多いようです。もし他に探してほしい情報があれば、教えてくださいね。
1: 細菌性髄膜炎との鑑別を要した神経ベーチェット病の1例 2: 吃逆を主訴とし,infliximabが奏効した難治性神経ベーチェット病の1例
2024年11月7日 | カテゴリー:関節リウマチ リウマチ外来, 膠原病, 免疫疾患 |