膠原病の診療のすすめかたについて
膠原病/自己免疫疾患は正常の組織、あるいは正常に近い組織が自らの白血球によって攻撃してしまう病態です。すべての疾患、病態に病名がついているわけでもなく、さらには診断名をつけるための要件を最初から時間的に満たしているわけではありません。疾患概念がまだ定まっていないものもありますので、治療を開始して経過を追いながら診断名が確定してゆくことが多い病態です。ここに多くの患者さんが戸惑っていることを感じています。明確な診断名がなくて非定型膠原病として扱わねばならないことも多いのでご理解をお願いします。
膠原病の中には、非常に難病なため頻回に行う検査や、治療に対して患者さんの負担がとても大きくなるケースがあります。そこで国や地方自治体が、指定した難病疾患に限り費用の一部負担金免除という制度を設けています。
これが難病特定疾患制度で、膠原病の中では、SLEや筋炎など数種類の病気が指定されています。手続きは、地元の保健所に所定用紙が設置されており、それを主治医が意見書として記載し提出すれば認定されます。ただしこの意見書の記載には、多くの検査が必要なことが多いので検査が増えることがあります。