プロテアソ-ム阻害
分子病態治療研究センター幹細胞制御研究部の菊池次郎准教授、分子病態治療研究センター長/幹
細胞制御研究部の古川雄祐教授及び生物物理学の柴山修哉教授らは、プロテアソーム阻害を介する
新規抗がん剤を発見し、その研究成果が PLosOne (8:e60649,2013)誌と J Biol Chem(288:25593-
25602, 2013)誌に相次いで報告されました.
筑波大学の報告です
ホモピペラジン化合物が、ユニークな化学構造とプロテアソーム結合様式を有し、ボルテゾミブ耐性の克服にも
有効な新しいタイプのプロテアソーム阻害剤経口薬としてきわめて有望であり、患者の QOL 向上だけでなく予後の
改善にも有効となる可能性を明らかにしました。
20Sプロ手アソ-ムに対してです
興和株式会社で開発された低分子化合物であるホモピペラジン化合物に、
プロテアソーム活性の阻害を介した抗腫瘍効果を見いだしました。
その作用機序解明の結果、ボルテゾミブが、プロテアソームにおけるβ1カスパーゼ様、β2トリプシン様、β5キモトリプシン様の3種類のタンパク質分解酵素のうちキモトリプシン様活性阻害を介するのと異なり、ホモピペラジン化合物は3種類の活性全てを阻害することを明らかにしました。
また、結晶構造解析の結果から、ホモピペラジン化合物がプロテアソームの3つの酵素の活性中心それぞれに直接結合す
ることにより活性を阻害していることを明らかにしました。
続いて、骨髄腫細胞株とマウスを用いた非臨床試験により、顕著な腫瘍増殖抑制効果を有すること、重篤な副作用も見られないこと、ボルテゾミブ耐性の克服に
も有効なこと等を明らかにしました。
2024年5月3日 | カテゴリー:各種治療学, 創薬/AUTODOCK, 白血球異常 白血病・骨髄異形成症候群 |