サイトメガロウイルスについて
サイトメガロウイルス感染症の原因は、ヒトサイトメガロウイルスと呼ばれるヘルペスウイルスの一種です。
ヒトヘルペスウイルス5型(HHV-5):サイトメガロウイルス(CMV)としても知られています
ウイルスに感染した人の母乳、尿、唾液などの体液に接触して感染する水平感染のほか、産道感染、輸血による感染、性行為による感染などが感染経路となります。
サイトメガロウイルスは幼稚園や保育園などの集団生活を始める乳幼児期にほとんどの人が感染するといわれており、その多くは症状が現れない不顕性感染です。
サイトメガロウイルスに一度でも感染すると、ウイルスはその後も体内に残り続け(潜伏感染)、初感染からしばらく経って免疫力の低下などで再活性化してサイトメガロウイルス感染症を発症することがあります。
サイトメガロウイルス感染症にかかりやすい人としては、胎児、新生児(早産児)、移植後に免疫抑制剤を使用している人、がん治療を受けている人、エイズ患者、先天性免疫不全疾患を持つ人などが挙げられます。
胎児や新生児(特に早産児)は胎内感染や産道感染、母乳を介した感染などでサイトメガロウイルス感染症を発症することがあります。
それ以外の免疫が不十分な人では潜伏感染していたサイトメガロウイルスの再活性化によるサイトメガロウイルス感染症の発症が多いでしょう。
免疫抑制を使用している人はそうでない人に比べて多いので、処方している医者が自動的にチェックをしています。移植患者やエイズ患者など、免疫力が不十分な人が感染した場合は重症となりやすく、全身のさまざまな臓器に感染することで間質性肺炎、網膜炎、脳炎などの重篤な症状を引き起こすことがあります。
先天性サイトメガロウイルス感染症は、サイトメガロウイルスの抗体を持たない女性が妊娠中に初感染することで胎児の発症につながることがあります。
近年では妊娠可能年齢でサイトメガロウイルス抗体を持たない女性が増えているため、性交時にコンドームを使用する、乳幼児の尿や唾液に触れる場合には手袋を使用したり手洗いを徹底したりすることなどがすすめられています。サイトメガロウイルスのワクチンは開発中です。
2024年7月1日 | カテゴリー:白血球異常 白血病・骨髄異形成症候群, 免疫疾患, リンパ節異常・リンパ球異常 |