アレルギーとは
アレルギー(独: Allergie)とは、免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることをいう。過敏反応ないしは過敏症(英語: hypersensitivity reaction)とも呼ばれる[1]が、免疫学的には両者は異なるものと定義されている[2]。過敏症は免疫反応によるものとは限らない、アレルギー類似症状をも指す[2]。
免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能である。語源はギリシア語の allos(変わる)と ergon(力、反応)を組み合わせた造語で、疫を免れるはずの免疫反応が有害な反応に変わるという意味である[3]。
アレルギーが起こる原因は解明されていないが、生活環境のほか、抗原に対する過剰な曝露、遺伝[4]などが原因ではないかと考えられている。アレルギーを引き起こす環境由来抗原を特にアレルゲンと呼ぶ。典型的なものとしてハウスダスト、ダニ、花粉、穀物、酵母、ゼラチン[5](人間の皮膚片[6])、金属[7]など、実に様々なものがアレルゲンとなり得る。
喘息をはじめとするアレルギーの治療に関して、欧米の医師と日本の医師との認識の違いの大きさを指摘し、改善可能な点が多々残されていると主張する医師もいる[信頼性の低い医学の情報源?][8]。
「アレルギー疾患対策基本法」においては、アレルギー疾患とは「気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反応に係る疾患であって政令で定めるものをいう。」と定義されている[9]。
アレルギー疾患と自己免疫疾患
自己免疫疾患はアレルギーと異なり、自己の持つ抗原に対して免疫反応が起こる疾患である。内因性のアレルゲンによるアレルギー反応が病態となっている点が異なるが、その仕組みは、ほぼ同じである。
- アレルギー疾患
- 外部からの抗原に対し、免疫反応が起こる疾患。ただしその抗原は通常生活で曝露される量では無害であることが多く(たとえば春先の花粉そのものが毒性を持っているわけではない)、不必要に不快な結果をもたらす免疫応答が起こっているといえる。アレルギー性疾患とも言う。
- 代表的な疾患としては アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、 アレルギー性胃腸炎、気管支喘息、小児喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、蕁麻疹があげられる。
- 自己免疫疾患
- 自己の体を構成する物質を抗原として、免疫反応が起こる疾患。特定の臓器や部位の障害、炎症をもたらしたり、全身性の症状を呈する場合がある。
- 代表的な疾患としては関節リウマチといった膠原病や円形脱毛症があげられる。
- →詳細は「自己免疫疾患」を参照