糖尿病例
D1:間食、冗長食が多いために、グルカゴン値が増して全体的に血糖上昇となっています気を付けてください。一週間に4回程度にしないとA1cは7.5%以下にはなりません。
長期高血糖が持続すると動脈硬化を起こすm1型単球の増加につながります。
水分不足も動脈硬化に不利です。体重1kg当たり40ccが理想と言われています。
起床時血圧は良い値です。
尿検査の尿浸透圧、血清Na濃度で大体の摂取塩分が推定出来て、あなたの場合、最近は一日12gは摂っていると推定します。まずは一日10gを目指しましょう。
D2:A1cが高いのは間食の回数が多いからですが、小麦のグルテンが多いのか、甘い物が多いのかはっきりしませんが食後のTGが高いです。心不全や発がんにつながることが確からしく確認されています。TV、新聞などのいいか加減な情報に惑わされないように注意してください。
腎機能が低下気味です。尿酸値も7.0を超えているので推測するに炭水化物の摂りすぎが原因と考えます。聴取からプリン体ではなさそうです。
D3:まずはメトホルミンを用います。、もともとバーブの伝統のフランスのユリから抽出された成分です。もっとも、低分子なので現在は合成物です。肝と筋で炭水化物を燃えきるようにして細胞内での酸化ストレスを回避して血糖が上がりにくくなる薬です。中枢に働いて食欲が抑制されるレスポンダーの人もいます。SIRT1に働いて若がえり効果も期待されています。
さらにSGLT2阻害薬も将来的に用いる可能性もあります
D4:A1cは血色素のヘモグロビンの一つの種類です。糖化ヘモグロビンといいます。全く糖尿病の遺伝的素因がなく、膵臓が悪くない人では5.5%
です。つまり、血糖100mg/dl×6時間がやく1.4%に相当します。A1cの値で日内変動の基礎パターンはほぼ推定できます。
多くの糖尿病合併症リスクをA1cとの相関性で表しますが、擬陽性率が高いので、個別にほかのサロゲート指標を用いて説明をしてゆきます
D5:A1cが10%を超えています。さすがに網膜症の危険、心機能低下の危険、がん発症の危険があります。
動脈硬化についてはEPAをすでに用いているので、問題ありません。
D 6: A1cが8%を超えています。間食/冗長食がないようなので、膵β細胞のインスリン分泌が進行性に低下したか、内臓脂肪がインスリン抵抗性物質のTNFαを多く分泌するようになったかです。
あなたの場合、前者なのでピオグリタゾンを使ってインスリン抵抗性を改善する処方にします。
D 7: 治療薬にGLP-1内服薬を用います。あなたの場合、どうしても間食がやめられないことが多いからです。遺伝的にも間食を制限するのが困難な人たちが存在します。また心不全にも腎不全にも肝不全にも効果があり
D 8:(とくに初診例)特にA1cが高いので。治療薬が必要なレベルです。初期投与としてメトホルミンを用います。血糖を上げてしまうグルカゴンを減らしてGLP-1インクレチンを増加させたり、血中のブドウ糖を吸い上げて糖を分解する肝臓や筋肉に働いて細胞内で滞りなく糖の分解を促進する作用があります。残存する自己インスリンの量が多くても、少なくても血糖が上がりにくくします。
D9:糖尿病性の合併症には網膜、神経障害、腎障害が有名ですが、脳梗塞、心筋梗塞、心不全、認知症、易発がん性があります。その都度ここでチェックsます
D10:治療薬にDpp4阻害薬を用います。内臓脂肪が多く、肝臓でインスリン抵抗性を起こすようなホルモンが多く出ていることが予想されそのような状態では膵β細胞にもストレスがかかるために、β細胞保護のために用います。
2025年1月7日 | カテゴリー:診療記録例 |