手の震えについて
手の震えは、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。
- 本態性振戦(ほんたいせいしんせん): 震えだけを特徴とする病気で、40歳以上の人の約4%、65歳以上の人の5~14%に見られます。自分の意思とは関係なく手が震えることがありますが、日常生活に支障をきたすほど強い症状がある場合は医師に相談してみましょう12.
本態性振戦は、手や頭などが不随意に震える神経疾患であり、はっきりした原因がないにもかかわらず、成人で最も頻繁に見られる症状の一つです1. 最新の研究により、本態性振戦の遺伝的危険因子が同定されています。
遺伝的要因: 本態性振戦は遺伝の関与が示唆されており、特定の遺伝子異常が関連しています。実験動物のラットを用いた研究では、イオンチャネルと脳内でグルタミン酸に次いで多く存在するアセチルアスパラギン酸の分解酵素が、本態性振戦の原因となる遺伝子として同定されました2.
遺伝子の組み合わせ: 個々の遺伝子異常だけでは本態性振戦は発症しないことが明らかになっています。本態性振戦は、これら2つの遺伝子異常が組み合わさったときに初めて発症することが示されています2.
病態の詳細はまだ完全には解明されていませんが、これらの遺伝的要因が本態性振戦の発症に寄与していることがわかっています。今後の研究により、新たな治療法の開発につながる可能性があります
2024年8月2日 | カテゴリー:脳神経系疾患 |