双極性障害について
双極性障害(そうきょくせいしょうがい、: bipolar disorder、: bipolare Störung)は、通常の気分をはさんで躁病(そうびょう)と鬱の病相(エピソード)を呈する精神障害です。
ICD-10と以前の1994DMSでは、うつ病とともに気分障害に分類されている。
ICD-10における診断名は双極性感情障害であり、古くは躁うつ病(そううつびょう、躁鬱病)と呼称されていました。
双極I型障害と、より軽い軽躁病のエピソードを持つ双極II型障害とがある。双極性障害の躁状態、うつ状態はほとんどの場合、回復するが、90%以上再発する。単極性の(躁病のない)うつ病とは異なる経過をたどる。また発病のメカニズムや使われる薬は異なる。
気分安定薬による予防が必要となることが一般的である。双極II型障害に対しては証拠が少なく薬物療法はケースバイケースで判断される。生活習慣の改善が必要となる。障害とは生涯にわたってのつきあいとなる
:WHOは世界で6000万人が罹患していると推定している。好発年齢は25歳で、初回発病は15から19歳からであり12歳以下は稀である。35歳以上でも別の原因が念頭に置かられる。一卵性双生児における一致率は50から80%と、二卵性双生児 (5から30%) よりも高いことから、遺伝要因の関与が高いことが指摘されている。
うつ病との違い
躁病から病気が始まれば双極性障害と診断可能である。抑うつから始まった場合には、うつ病と診断されることになり、明確に躁病あるいは軽躁病が現れるまでは適切な治療は実施できないことになる。診断が難しい。肉親に双極性障害の人がいる場合や、発症年齢が若い(25歳未満)場合、幻聴・妄想などの精神病性の特徴を伴う場合、過眠・過食などの非定型症状を伴う場合などは、双極性障害の可能性が高まる。身体愁訴などの症状は少なく、精神運動制止が強いなどの特徴がある。自覚的にはうつ病であっても、親が双極性障害を持っている場合は、それを伝えることが望ましい。病前性格は社交的で気分が変わりやすい傾向(循環気質)が見られるとされ、うつ病に特徴的な執着性格やメランコリー親和型性格とは異なるとされてきた。しかし、前向き研究では確認されておらず[20]、最近ではこうした性格は、既に気分循環症を発症していたと考える方向にある。
2024年6月25日 | カテゴリー:心療内科的疾患 |