小標本分布
小標本分布とは、標本サイズが小さい場合に使用される確率分布のことです。特に、母集団の分散が未知であり、標本サイズが小さい場合に母平均を推定するために使用される t分布 が代表的です。
t分布の特徴
- 自由度: t分布は自由度(標本サイズ - 1)に依存します。自由度が増えると、t分布は正規分布に近づきます12。
- 用途: 小標本サイズでの母平均の推定や仮説検定に使用されます12。
- 計算方法: 標本平均と不偏分散を用いて、母平均の推定や信頼区間の計算が行われます12。
例
例えば、標本サイズが20の場合、自由度は19となります。この場合、t分布を用いて母平均の95%信頼区間を計算することができます12。
小標本分布は、標本サイズが小さい場合でも信頼性のある推定を行うために重要な役割を果たします。
母集団が正規分布だと分かっている場合における母平均の区間推定には、「正規分布を用いた推定」と「 t 分布を用いた推定」があります。
正規分布を用いた推定とは、「母分散の値が分かっていれば、正規母集団の性質を利用して標本平均の実現値から母平均の値を推定できる」というものです。
しかし、現実には「母平均 μμ の値が不明なら、母分散 σ2σ2 の値も分からない」のが普通です。
「σ2を不偏分散(の実現値) u2で代用する」という方法もありますが、それは「サンプルサイズ nが十分に大きければ、不偏分散は母分散に近い値をとりやすいから」なので、サンプルサイズ nが小さい場合はそれも出来ません。
そこで「母分散が未知の値であり、n=20個程度のデータしか集められない場合に、母平均の値を推定したい」ときに利用される確率分布。
それが、t 分布です。
2024年12月2日 | カテゴリー:基礎知識/物理学、統計学、有機化学、数学、英語 |